私がまだ学生の頃、ゼミ合宿で山奥にある大学の研修所に何度か行きました。
ある年そこの体育館に入ると、欧米系の大人がザイルで壁を降りているのが眼に留まりました。
「何の練習だろう?」
話を伺ってみるとその方はとある企業の研修を受け持つ講師でした。
研修の一環でザイルワークをさせるのだそうです。
準備中だったので、我々もザイル (登山用ロープ) で壁を降りる体験をさせていただくことができました。
ザイルに体重を預けるときだけ緊張しますが、その後は落ち着けば地上まで難なく降りられることが分かったのは貴重な体験でした。
ところでこれは何の研修だったのでしょう。
当時は今のような仕事をするとは考えてもいなかったもので、
「社会人は仕事をしながら面白いことをするものだな。」
と思ったものでした。
過日TVで登山の映像を見ていると、ザイルで降りるところは大変さの程度が少し想像できました。
「知識があることや体験したことは、むやみに怖がらなくて済む。」
ということを伝えたかったのではないかと思います。
今の気分 (^_^) by 中田智玄