2013年02月12日

先日眼鏡の記事を書いたついでに思い出したこと - あなたの眼鏡を斜めから見ると何色?反射防止というからには…残念ながら完璧なものが受け入れられるとは限らない

小笠原からの帰りに太平洋上で見た虹 (撮影:中田智玄)PC 用の眼鏡のことを書いたついでに思い出したことです。


透明な眼鏡をお持ちの方に質問です。
1. その眼鏡には反射防止が施されていますか?
2. 窓の明かりをその眼鏡で反射させて見ると何色に見えますか?


1 でいきなり躓いたかもしれませんが、実は多くの眼鏡に反射防止が施されています。AR  コートと呼ばれます。
斜めから見ると窓の明かりは緑色に見えませんか?PC 用の眼鏡は色づいているので質問の前提から外れてしまいますが、青色かもしれません。


さて、2つの質問に矛盾があることにお気づきでしょうか?
2の質問で「明かりをその眼鏡で反射させて見る」と書きましたが、反射防止が施されていれば反射しないはずです。


ことことについて、私が光について学んだ先生のおひと方からお聞きした話をひとつ。
まだ眼鏡の反射防止が一般的ではなかったころ、その先生のところへ眼鏡のレンズメーカーから試作品のあったそうです。
「レンズがギラつくので反射防止膜を付けて欲しい」
その先生は透明なレンズに可視光全域(大雑把に言えば赤から青まですべての色)の光に対応できる反射防止膜を付けました。


その結果どうなったか?
レンズは見事に透明になりました。

レンズメーカーの方はさぞかし喜んだだろうと思ったのですが、困った顔をされたそうです。
「これでは存在感がなくて商品性に掛けてしまいます。緑色の反射だけ残していただけませんか?」
可視光全体に反射防止する(完全なもの)より一部の色を残す(不完全なもの)方が簡単です。先生は応じました。
レンズメーカーの方は喜び、それが今に至るそうです。


その先生も緑色だけ残った反射防止の眼鏡を掛けていらっしゃいました。


ちなみに、可視光全体に反射防止を施したレンズは、私にはうっすら黒ずんで見えました。
なるほど面白みがありませんでした。



完璧なものが必ずしもユーザーに受け入れられない例でございました。


ユーザーのニーズにピッタリはまるようにするか、
少し上を行くか、
完璧なものを作るか。
ユーザーはどこについてくるか、見極めは難しくも面白い。

そんな目で色々な商品を見るのもまた面白い。
 
今日の気分 (- -)


2013年02月07日

PC用眼鏡を掛けずにブルーライトを避ける方法を考えてみた

(手元に分光光度計 : 光を波長に分けて強さを測定する装置 がないので、厳密な検証を行えておりません。ご了承ください)
(PC のモニターや OS の設定の詳細は、取扱説明書等を参照してください)

「ブルーライト」とは (真空中もしくは大気中の?) 波長が 380-495nm の青色から紫外線の電磁波 (この波長ならば「光」と呼んだほうが通じやすいでしょうか) を指すようです。


参考) 比較的中立と思われるサイトを紹介します。
「ブルーライト」以外の記述には、私の理解と異なるところもあります。それぞれの用語は学術書を参考にすることをお勧めします。
http://blue-light.biz/about_bluelight/about.html


ブルーライトは人の目に何らかしらの悪影響があるという予測があるらしいです。
確かに平日青空を見上げることが少ない私などには PC のモニター以外で青を見ることは少ないかもしれません。
加えて、青色発光ダイオード (青色 LED) の単色青色や電車内の青味のかった白色の照明を見ていると体によろしくないような気がしていました。


「青味のかった白」といえば、、、
日本人は白色の中でも比較的青味のかった白色 (スーパーホワイト) を好むと聞いたことがあります。清潔感があるからでしょうか。
確かに私もビジネス用の紙などは青味のかった白が好きです。


「青味のかった白が好みなのに青が多すぎるのは目に悪いので防ぎましょう」というのは、何となく「車は便利ですが運動不足になるのでスポーツクラブに通いましょう」というのに似ているなと思います。
便利さとそれによる弊害は諸刃の剣です。


さて、業務上パソコンのモニターを見ないわけにはいかない方も多いでしょう。私もその 1人です。
私としてはパソコンのために眼鏡のデザインや他の性能を犠牲にしようとは思いません。
眼鏡は似合わないと思われている方もいらっしゃるでしょう。
視力が悪いわけでもないのに眼鏡を掛けたくないという方もいらっしゃるかもしれません。
また、コンタクトレンズ派の方もいらっしゃいますでしょう。

そこで、他の手段を考えてみました。


「原因を元から断てばいいではないか!」


PC のモニターから青色を少なくすることを考えてみます。
方法はいくつかあります。


まず、ハードウェアとしてのモニター自体の設定で変更する方法です。


モニターのスイッチの付近に設定ボタンが並んでいるかもしれません。
メーカーや機種によってスイッチの配置や項目名が異なるので詳しく書けませんが、
例えば次のような項目名があります。
「色温度」、「Color Settings」。


DELL_ColorSettings-s.jpg「色温度」の場合は、数値を小さくするほど青色の成分が少なくなって黄色がかってきます。












EIZO_色温度設定-s.jpg「Color Settings」のように赤・緑・青の調整が並んでいる場合は、青色を少なくすると似たような効果が得られます。












次に OS レベルの設定を考えます。


win7_ディスプレイの色の調整_カラーバランスの調整.pngWindows 7 の場合は、「ディスプレイの色の調整」機能があります。
http://windows.microsoft.com/ja-JP/windows7/Calibrate-your-display
この中の「カラー バランスの調整」で青を少なくできます。











Mac_ディスプレイキャリブレータ・アシスタント_ホワイトポイント_詳細モード-s.jpg
Mac_ディスプレイキャリブレータ・アシスタント_ホワイトポイント_通常モード-s.jpgまた、Mac の場合は「システム環境設定」の「ディスプレイキャリブレータ・アシスタント」に「ホワイトポイント」の項目があります。
詳細設定を選択した場合は数値を小さくし、詳細設定ではない場合は "D50" や "D65" を選択すると青色が少なくなります。
("D50" や "D65" という選択肢は OS のバージョンによって異なるようです。例は OS X 10.7.5 Lion です)














最後にこれらの方法に対して、思いつく課題を書き出してみます。
・色々なモニターを見る方は、それぞれのモニターを設定する必要がある。
・そのモニターをいろいろな方が見る場合は、他の方に不都合な場合がある。
 ※ Mac OS X 10.7.5 の場合は、先の設定をログインユーザーごとに変更できることを確認しています。
・極端に黄色味のかった画面を見た後に周りを見ると、色調の違いに違和感をおぼえることがある。
 ※ 眼鏡で色調を変えると画面も周りも同じように変わるため、違和感が少ないと思われます。
・色覚に関係ない紫外線 (が出ているとすれば) の量は減らないかもしれない。

 
今日の気分 (#_#)
posted by 中田智玄 at 12:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | ソフトウェア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする